松本 菜摘

  • 松本 菜摘特別養護老人ホーム・ケアワーカー

インターンシップで
見えた働く私の姿
昔から祖父母と話すのが好きで、将来は介護の道に進むことを考えていました。大学は臨床心理が専門で、介護を専門に学んでいないからこそ、現場ではどういう仕事をしているのか、施設はどのような雰囲気なのかを実際に見て知ろうと思いました。その時大学の就職サポートに勧められたのが、同和園のインターンシップです。
参加してみると、ついてくださる職員がいつも穏やかにご利用者との関わりを教えてくださいました。そのご利用者の得意なこと、一緒にできることをさりげなく教えていただいたため、安心してご利用者と関わることができました。インターンシップを終えてもう一度進路を考えた際、同和園で働く自分の姿がはっきりと想い描けたことを覚えています。


優しさ温かさにふれた時
心の中でガッツポーズ
特別養護老人ホームは、ご利用者が最期に過ごされる場所となることから、「最期の時間を同和園で過ごすことができてよかった」と感じられるよう、ご利用者に寄り添うことを大切にしています。入職してからケアワーカーが予想より体力を使う仕事で、一日の流れも自分で組み立てられないと大変ということがわかりました。手いっぱいだとケアをただうまくこなそうとしてしまいます。入職して半年ぐらいはこなすことに終始する自分がいました。しかし、ご利用者との別れを何度か経験するうちに、誰のためのケアだったのかと振り返るようになりました。私の行っていることは単純な業務ではなく、その人自身を大切にするためのケアだったはずなのに。そう思うと一つ一つのことへの向き合い方が変わりました。
ケアには日々のコミュニケーションも大切です。出勤してすぐに皆さんの顔を見てご挨拶すること、言葉が出にくい方や、感情をうまくコントロールできない方にも日々のお声がけを大切にしています。毎日続けているとふと優しい言葉をもらったり、温かなやり取りができたりする日があります。そんな時はとても嬉しくて、心の中でガッツポーズをしています。


見守られているから
安心して成長できる
最近は法人の就職説明会に働き方を紹介するために出席することも増えました。そこでよく聞かれるのが「人と絶えず関わりながらする仕事の実際」です。私は同和園では自分や周りの職員、ご利用者の特性が組み合わさって個別のケアにつながっていることを伝えています。
1年目は全体の仕事が見えていない部分もあり、人からの指示を待っていました。それに対して、当時の上司はすぐに指示するのではなく、ユニットで毎日一人のご利用者との時間を多く持つように配慮され、その方が望んでいることやできることをじっくりと学ぶ機会をくれました。一日の終わりには必ずその日のご利用者の様子を確認されます。そしてそれから1ヶ月ほどユニットのご利用者と向き合い続け、それぞれのご利用者のことが分かってくると、必要なケアが見えてきました。時間の組み立て方を自分で考えられるようになっていきました。上司にはできたことを報告するとその成果をユニットの中で共有してくれました。できないものはできるようになるまで一緒に練習してくれました。
上司はもちろん、周りの職員も相談しやすく活発にアイデアを出し合える雰囲気が同和園にはあります。できることが増えていき成長を実感できるからこそ、次の挑戦への意欲も生まれます。最近では大学で学んだことを生かせるよう、資格取得のための勉強にも取り組み始めています。